実は、重要なポイントなのです。
良妻賢母を養成するイメージの大学でも「私は自分を活かしてくれるような企業で働きたい。
働いて、キャリアで自己実現し、その上で家庭を持ちたい。
仕事は結婚しても子供を産んでも続けたい」という学生が大多数なのです。
卒業後に花嫁修業し、結婚退社して専業主婦になることを理想と考えているような人は、ほとんどいません。
私は大学からもキャリアに関する講義の要望を受け教壇に立つことがあります。
世のなかのイメージでは、お嬢様大学と言われるような女子大に行くこともあります。
こうした大学の学生に接すると、女性のキャリアビジョンがここ皿年ほどでどれだけ変化している今の30代にキャリア観の性差は、結婚はもちろんしたいけれど自分の仕事は続けたい、今の女子大生が持っているキャリアビジョンの主流なのです。
さらには、「非らには、「まだ社会に出たくないので、とりあえず大学院に行きたい」と、ちょっと社会的責任を先送りにしたいというような子供っぽさも多く、女子学生よりもキャリアに関する意識が明確でない人も多く感じます。
2000年までのオールドキャリアと言われる時代では男性は安定性や知名度を優先して会社を選び、嫌な仕事も我慢しながら社会の仕組みを覚え、1人前になった暁には粉骨砕身、会社に奉仕して……というのが一般的な働き方でした。
今の男子学生の大半はそんな生き方はしたくないと思っています。
就業時間後に上司と毎晩酒を酌み交わし、土日が接待ゴルフで潰れるような「会社漬け」の男にはなりたくないと思っているし、家庭で粗大ゴミのように扱われるお父さんにもなりたくないと思っています。
一方、男子学生はどうかというと、「奥さんは専業主婦として家庭のことだけやって。
ずっと家にいてほしい」という、男性は外、女性は内というような固定概念の人は女性が辞める会社は若手男性も辞めるつまり、今の20代、とくに妬歳以下の世代では、もう男性も女性もないのです。
ライフワークバランスを大切にしながら、やりがいのある仕事をしたい、この価値観に今の学生たちは成長の過程で、大企業が倒産し、エリートがリストラされるのをたくさん目にしてきました。
そのためか「社会に確実なものなどない、それなら会社人間になるより、個人としての幸せや家庭を大切にしながらやりがいのある仕事をしたい」という意識が強いように思います。
最近、ある企業の人事担当者に興味深い話を聞きました。
就職面接のときの質問で「この会社ではどのように働きたいですか?」という問いに対して、多くの男子学生が「仕事と家庭を両方大切にするように働きたい」と異口同音で答えるのだそうです。
その担当者は非常に驚いたと言っていました。
少し前なら男性が「家庭と仕事の両立」を第一義に考え、しかも面接で堂々と言うなどというのは想像できないことでしたが、このエピソードから考えても若い男性のキャリアに対する意識は大きく変わっているのです。
だからこそ、今、女性活用に力を入れることが大切なのです。
後で詳しく書きますが、多くの場合、女性は家庭のなかで妻や母、娘といった役割を持っています。
もちろん男性にも、夫や父という役割があるわけですが、まだ現在の段階では、女性のほうがそれぞれの役割への負荷は大きくなっています。
社員1人ひとりが、自らの生活と仕事を無理なく両立し、活き活きと働けるような企業風土歓迎するのは女性だけではないのです。
ライフワークバランスを大切にする現代の若い男性社員もまた、同じような環境を望んでいます。
よく「最近の若者は3年で会社を辞める」と言われていますが、辞めるのは必ずしも今の若者が青い鳥を探し続けているからだけではないでしょう。
企業の内実をのぞいてみると、若者が辞めてしまう組織には、今の20代には決して馴染まない価値観がまかり通っているというケースが多いのではないかと思います。
たとえば、深夜残業や休日出勤を当然と見なすような社風などその典型例です。
興味深い「性差」は全く感じません。
もちろん、どういう働き方をしたいかについて個人差があるでしょうが、男性だから女性だからという問題ではない個人レベルの話なのです。
ここで、経済産業省が2003年に発表した「女性の活躍と企業業績」という報告書をひもといてみたいと思います。
この調査レポートのなかで、企業からのヒアリングと、「企業活動基本調査」約260000社のデータを用いて、「利益率と女性比率との関係」を分析した結果が発表されていますが、それによると、女性が全社員のVパーセント未満しかいない会社の利益そこから考えれば、女性社員が「この会社では自分を活かせない」「この会社ではライフワークバランスが保てない」と思うような風土が根づいている企業では、ライフワークバランスを大切にする現代の20代男性もどんどん辞めてしまう、という構図が見えてきます。
企業のこれからを担う30代社員が続々と辞めてしまっては、その会社の将来は先細りになる一方。
すなわち、女性が活き活きと働けない会社はイコール、将来性の脆弱な会社であると言えるのではないでしょうか。
いことにそういう組織ではやはりどんどん女性社員も辞めています。
つまり、もともと男女比に差がない会社では、女性が活き活きと働ける風土が整っていて、利益率に大きな貢献をしているということ。
そういう風土がないにもかかわらず、体裁だけ女性を増やしたところで、結局会社の成績は上がらないということなのです。
このことから、女性が元気に働くことができるような組織風土こそが、会社のパフォーマンスを伸ばしているとはっきり示唆されているのです。
女性を活かす組織づくりというと、よく「自分は女じゃないから関係ないしなあ」という反応をする男性がいます。
あるいは「うちの業界はもともと女性が少ないのだから、影響ないしなあ」と考える人がいます。
こういう反応はまあ当然とも言えるのですが、これまで述べてきたとおり、実はちっとも関係なくはない問題で、企業の将来性がそのままかかってくるような問題なのです。
も、その企業の利益率は変わらない」という結果が出ています。
つまり、単に女性社員の人数を多く採用しても会社のパフォーマンスには関係しないということ。
レポートではこの結果から、女性比率の多い会社は見かけ上の成績が良いが、本当の理由は女性比率ではなくて、「女性が活躍できるような企業の風土」にあると報告していまだから、「うちの会社は女性が別人しかいないから、その別人を活性化しても大勢に影響はない」というのは通用しないのです。
たとえ、女性の少ない業種であったとしても、女性社員がごく少ない会社だったとしても、全く同じことです。
1000人の会社に別人しか女性がいないとしても、その別人が活き活きと働けるような風土をつくりあげるかどうかに企業の将来性がかかってくるのです。
また、女性活用イコール、女性社員を増やすことと捉えて、「とにかく女性社員をたくさん採用すれば必然的に女性の勢力が強くなって女性活性化につながるだろう」という考え方をしている企業もあります。
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